フューチャーウォーカーとは?

フューチャーウォーカーとは?

フューチャーウォーカーとは、最新のエレクトロニクスをcoolに使いこなす人を言う。
しかし闇雲に新しいアイテムを使うのではなく、これからスタンダートとなるものの走りの段階から使い出す、一種の先見の明を持つ人のことを特に言いたい。
フューチャーウォーカーは、ニューアイテムを鼻にかけることなく、それによる数々の出来事を物ともしない大心者であるべきだ。時にめげてしまいそうなことがあるかもしれない。しかし、フューチャーウォーカーとして誇りを持って欲しい。あなたのおかげで今日のこなれたアイテムがある。

例えばMDウォークマンの初期ごろのモデルでMZ-E3というものがあった。将来的にはジャストMDサイズになるのは分かっていたが、やっとカセットウォークマンサイズになったので「今までと持ち歩きに関しては遜色ない」と乗り換えた。
すると数々の恩恵にあやかる事が出来た。録音時のレベル調整不要、聞きたい曲をすぐに頭だし、面倒だった週1のヘッドの掃除の不要。まさに「MDありがとう」である。
しかし、フューチャーウォーカーには負の部分も襲い掛かる。電車内でMDを換えようと「カシャ」と取り出すと、当時珍しいMDを周りの人が「ババッ」と注目。フューチャーウォーカーになりたての私は、さすがに恥ずかしかった。
それからどれくらいたったのだろうか?恥ずかしそうにMDを換えている人を見るようになったころ「頑張った、や、やったよ」と感慨もひとしお。そこで間違ってもその人を注目したりせず相手を思いやるのが、フューチャーウォーカー。
5年ほどたって「最近MD買ったんですよ。いやー便利ですよね」と。そう、一般人が参入し始めたのだ。もうそうなったらフューチャーウォーカーの役割は終わったのである。
「あーそんなこともあったなー」と遠い目のフューチャーウォーカー。「いつのこといってんの?」と思っても決してそんなことは口せず、「私も、持っているんですよ」とMDを見せる。「うわー、なんですか?これ!?」「おもー!!」MDを買ったとき、さらに古くなっても話題となり、一粒で2度おいしい。そこで間違ってもケチ付けられたと怒ってはならない。それがフューチャーウォーカー。

さて、もしDATウォークマンを選んでいたなら、どうであろうか?
今の一般人は知る由もないし、知ってる人は「ああDAT...」と遠い目になってしまう。
「エバンゲリオン」という大人気のアニメがやっていたとき、主人公がDATウォークマンを聞いているシーンがあった。その当時でさえ「いまどき、DAT!?」と大笑いしてしまった。が、作成時期や、曲を繰り返す表現を分かりやすくする関係上テープが好ましかったのだろう。
DATを見ると従来のテープとあまり変わり映えがしない印象を受けた。高音質であるもののシーケンシャルなので曲の頭出しに難の為、ユーザビリティが良くなく流行らないと思った。
このように、DATウォークマンを選んでいたなら、先見の明のあるフューチャーウォーカーではない。

さて、cool部分に注目しよう。私が携帯を最初に手に入れたのは、売り切りとなったころのP101Hyperである。なかなかのタイミングである。
そのころは、ただ街中で携帯を話しているだけで「仕事できそう」「かっけー」とcoolに注目されていたのである。
その後、携帯電話は爆発的な成長を遂げる。いい社会人でもどこもかしこも着信音を鳴らし、はしゃいでいた。そんな時「始めておもちゃを買ってもらった子供のようだね」と呆れ顔のフューチャーウォーカー。そのころすでに当たり前のようにバイブにしている。ニューアイテムを使うのに人に迷惑をかけないのがフューチャーウォーカー。
先行してスタンダートなアイテムを手に入れる。一般に浸透するまで長く使える。そんなこともあってフューチャーウォーカーは物持ちが良かったりする。
しかし、そんなフューチャーウォーカーに、またまた負の部分が襲い掛かる。
あるときTOEICの試験を受けに、とある高校に受験をしにいった。
「携帯の電源を切って机の上に出してください」
と試験官。言われたとおりにすると、なにやら受験者たちがヒソヒソと
「あ、あいつの携帯でけーよ」
「ア、アンティーク?」
と別の意味で注目されてしまい、さすがにcoolとは言いがたかった。その後も、電話で話していて「こっちバリ3なのに切れるから、そっちの携帯が原因かもね?」ということもあり、買い換えた。
いくら選択が良かったとしても、ある程度からの乗換ができるのもフューチャーウォーカー。

ここまで読んで「流行を追い求めてどうするの?」と思っている人がいるかもしれない。しかし、私の趣旨はそれだけではなく、もう少し別のところにある。
例えばHDDレコーダー。面倒なテープの入替が不要で、新聞などのテレビ欄を見なくてもEPGによって簡単に録画予約できる。といった具合に、それを手に入れたら生活が豊かになり、その後も便利に暮らせる。といったことや
「流行を追い求める」というよりは「ディファクトスタンダートを見つけ無駄な買い物を抑え節約する」という意味合いも考えているのである。
現在では昔と異なり商品サイクルが早く、なりなかディファクトスタンダートを見つけるのが難しくなってきた。しかし、今でも確実にディファクトスタンダートは存在しているのである。
君も数々の困難に打ち勝ち、ディファクトスタンダートを使いこなす真のフューチャーウォーカーとなろうではないか。