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2010年08月07日

この業界の人 Part.12

自分の理想で他が見えないヤツ。

えーと、2010年8月7日時点では公開されていないんですが、以前このシリーズをたまーに書いていたんですよね。
それがPart.11まで行っていて、まあ来年そのブログを復活させようと思うので、通しでナンバリングしようと思って。

「この業界」とはSI(システムインテグレーション)のことです。
顧客の要望に合わせ、コンピュータのプログラムを書いたり導入したり保守したりすることですね。

もう10年も昔になるのかなぁ。その時のウチの会社のチーフと協力会社で入っていた同僚との会話なんだけど
「フライトシュミレーターって結構面白いですよ?でもコンピュータの処理能力の向上を見越して作ってる感があるんですよね。」
「だから2,3年した新しいパソコンでやっと快適に動いて、ゲームとして満足にプレイできるようになるとか。(笑)」
するとチーフは急に声をあらがえて
「そんなんダメだ!開発者ならコンピュータの処理能力に頼ったらダメだ。」
「...」

そのチーフは航空機の管制システムに携わっていたことがあるらしく、業務の性質上1秒の遅延も許されない部分があったりとシステム開発に自負してるらしい。
確かに技術者魂として、理解できなくはないところはない。だけどある程度がすぎると滑稽に思えてくる。

「そんなに言うんだったらファミコンのCPUで、今ある最新のゲームソフトを動かしてみろよ?」そう心の中で思った。
ゲーム開発者も最適化をしていないわけじゃないだろう。コードの最適化に最適化を重ね、それでもそのパフォーマンスなんだろう。

「ファミコンのCPUで...」のくだりは行き過ぎの感があるが、そのチーフもゲーム開発の実情を知らなかったらしい。

現在のPCゲームでも「2,3年後のマシンパワーを見越して」ゲームが作られているらしい。

来月発売されるFF14だがCPU,GPUの高スペックが必要なのは有名で、現時点で最高のPCスペックらしき
CPU:インテル Core i7 960
VGA:GeForce GTX260 1.8GB
でも公式ベンチマークソフトの
8000以上:非常に快適
までいかないらしい。

開発側も「3年先のミドルレンジのPCを考えて」と言っていて、未だにそういった作りが継続されているようだ。

でも言いたいのは「ゲーム開発の実情を知らなかった」ではなくて「技術にこだわるあまり柔軟性に欠ける」なのだ。

例えば処理速度向上のためコード最適化を行い皆の残業代がかさむより、高スペックコンピュータを買うほうが安上がりといったような。
また上司に「そのほうがいいですよ?」と提案できるような。

理想を求めるのはかまわない。でも実情を見ない自分の考えを押し付ける行動は、無知で滑稽で迷惑なだけでしかない。

投稿者 verju : 2010年08月07日 14:49

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